法人成りのメリット・デメリット (法人税)

個人で事業を行っている方で、そろそろ「法人成り」を検討しているという方は必見です。

「法人成り」とは、個人で事業を営んでいる方が、法人(会社)を設立してその事業を個人から法人に移行し、以後その事業を法人で運営することをいいます。今回は法人成りのメリット・デメリットを紹介したいと思います。

<メリット>
1.所得の分散
法人の場合、役員に対する給与は「役員報酬」として経費になります。また、その「役員報酬」について給与所得控除を受けることができるため、課税所得を圧縮することができます。

2.対外的信用の増大
対外的な信用力、取引先の開拓、優秀な従業員の確保に有利です。

3.退職金の支払い
個人事業の場合は、本人はもちろん、その親族に対しても退職金の支給は認められていません。法人の場合には、役員及び従業員に対する退職金は適正な金額であれば経費として認められます。

4.欠損金の繰越
個人で事業を行っている場合の欠損金の繰越期間は3年間ですが、法人の場合には7年間欠損金を繰り越すことができます。(個人、法人ともに青色申告の場合に限ります)

5.相続時の事業承継
個人事業の場合、事業主が亡くなると直ちに個人名義の預金が使えなくなるなど、遺産分割までの一定期間、業務に支障をきたす恐れがあります。また、相続争いに巻き込まれると業務が完全に停止してしまう可能性もあります。法人の場合には、法人の財産と個人の財産とが完全に切り離されているため、個人事業の場合に比べて影響が少なくなります。

6.消費税の節税
法人成りと消費税の関係については、次項で説明致します。

<デメリット>
1.設立費用
法人を設立するための手続きに時間と費用がかかります。

2.維持運営コスト
役員変更や決算承認などの重要な意思決定は、すべて株主総会や取締役会の決議を必要するため、決議内容について議事録を作成する必要があるなど維持運営に手間がかかります。

3.交際費課税
支出した交際費の一部(又は全部)を経費に落とすことができません。

4.赤字でも税金がかかる
赤字であっても、法人住民税の均等割(最低7万円)を支払う必要があります。

5.法人税申告書
法人税申告書の作成に手間(費用)がかかります。